スマートフォン普及によるトラフィック急増をどのように乗り切るか?

カンファレンス

ワイヤレスジャパンの最終日に行われた「LTE/4G移動通信技術フォーラム」も参加することができたので、個人的なレポートとしてまとめます。まともな記事を読みたい方はケータイWatchさんの記事を見た方が良いと思うよ?

全体的には「スマートフォン普及によるトラフィック急増をどのように乗り切るか」というのが直近の大きな話題。ドコモはLTELTE-Advanced)への移行で、KDDILTEへの移行や(UQの)WiMAX、そして固定網を含めた自社ネットワークをフル活用して乗り切る方向のよう。

ドコモのLTE展開

ドコモのLTEは既存(3Gで使われている)周波数帯を利用して導入されている。既存3Gを一部止めて、一部をLTEへ置き換えていく形になる。対して海外のキャリアは新規に周波数を獲得して、そこにLTEを導入する予定。ドコモとしては既存周波数でのLTE導入を各キャリアへ働きかけているという。端末調達が楽になるよう、同じ周波数を使って欲しいということなのだ。しかし、既存3Gでネットワークが逼迫しているとしたら、3Gの一部を止める必要性のあるドコモの手法は海外キャリアでは実行しにくいのではないかと個人的には考える。
笑ったのが「古いサービスを止める為には、古いサービスの進化を止めること」というお話。確かにその通りなのだが、それを実行できるキャリアがどれだけあることか(ネットワークインフラの整備には膨大な費用が掛かる)。実行できているドコモの資産力はどこから来ているのか、少し気になった。

KDDIのマルチネットワーク利用

KDDIはモバイルから固定網まで一社で手がけているのをフル活用するつもりのようだが、今まで各インフラ網の横の連携ができていたかどうか疑問が残る。が、同社の掲げる3M戦略(マルチユース・マルチネットワーク・マルチデバイスの略)は最適なネットワークで、好きなデバイスで様々なサービスにアクセスできるとしたものだ。これをチャンスとして是非やり遂げて頂きたい。せっかく手持ちのカードが多いのだから。

WiMAXの今後

まともに普及しているのが日本だけとも言える(子会社UQの)WiMAXを今後どうするつもりなのか。確かに管理がデバイス(端末)単位で行えることは今後のM2Mの普及においては有利であろうが、展開する国が少ないことには部材調達が価格面で不利だ。株主でありWiMAXの盟主でもあるIntelの意向が大きく働いていることは想像に難くないが、それが一国のモバイルインフラに大きな影響を与えるのは如何なものだろうか。

ソフトバンクモバイルの位置づけって本当は重要じゃない?

そういえば主要3キャリアの内、カンファレンスに参加していなかったソフトバンクモバイル。きっと700/900MHz帯もらったら3G(HSPA)運用して、混雑地帯のオフロードにWCPのXGP2(ってかTD-LTE)使うんでしょうと勝手に予測。ホント、投資効率良さそうだなぁ。ソフトバンクモバイルって。

結びに

最近の都心部ではドコモですらパケット通信の規制が掛かるという。様々なところで「3Gでは遅かれ速かれトラフィックが捌ききれなくなる」言われるが、その限界は(都心部に限れば)かなり近いのではないか? 各キャリアの迅速な対応を期待したい。Wi-Fiへのオフロードも良いのだが、Wi-Fi基地局が近くに多過ぎて通信できないという、元も子もない状況も一部で見られ初めているので。